朱と黒
こんなにシンプルで魅力的な日本の艶色。
その色には生命があるようであり濡れて潤んだ独特な発色には色っぽさと怪しげな恐怖感さえ感じます。
だから遥か古の時代から神々の神聖な場や権力者にも大きな影響を与えたことでしよう。
私は自然の木と長い間仕事をいます。
漆も木の血液の様な素材を使わせてもらっています。
ただ今、地球に起きている環境変化が加速し大切な財産も失おうとしているを肌で感じています。
日本の各地で起きている自然災害も人間が招いたものです。
その昔、日本には自然と調和した生活があり、求め過ぎない心地よい窮屈さがバランスを取っていたように思います。
ただ、昔が正しいとか今が悪いのではなく、本当に大きく変えなくてはいけない時に来ていると思います。
私の仕事が未来を変えられる訳ではありませんが日本人は日本らしい心を未来に繋ぐヒントが伝統的な手仕事に隠されていますよ。
日本らしい形と色…大切にしたいですね。
荒神堂/鈴木富喜